取り組みの概要

東芝グループは環境への取り組みを、企業経営の最重要課題の一つとして位置づけ、「東芝グループ理念体系」のもと、人と、地球の、明日のために豊かな価値の創造と地球との共生を図ります。脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会をめざした環境経営により、持続可能な社会の実現に貢献します。
2020年には、脱炭素化や循環経済への対応などグローバルな視野に立った新たな長期ビジョンとして、「環境未来ビジョン2050」を策定しました。ビジョンのもと、持続可能な社会の実現に向けて「気候変動への対応」「循環経済への対応」「生態系への配慮」の3分野への取り組みを推進していきます。

気候変動対策の短中長期の目標

・長期目標として「環境未来ビジョン2050」を策定しています。2030年度までに自社グループのバリューチェーンを通じた温室効果ガス排出量を50%削減(2019年度比)し、2050年に向けて社会の温室効果ガス排出量ネットゼロ化に対応する形でバリューチェーン全体で貢献していくことをめざしています。
・2030年度の温室効果ガス削減目標については、SBTイニシアチブより認定を取得しました。
・中期計画として「環境アクションプラン」を策定し、年度ごとの目標値を設けて活動を推進しています。2021年度~23年度は、「第7次環境アクションプラン」を新たに開始します。

再生可能エネルギー利用の推進

・事業活動において、太陽光発電の使用や再エネ由来の電力の購入など、再生可能エネルギーの導入拡大を推進しています。

エネルギー効率の向上

・事業活動において、生産効率の向上や省エネ設備への投資を推進しています。例えば、電力監視システム「デマンドEYE」を使ったピーク電力および電力使用量の抑制や、建屋・オフィスのZEB化構想に取り組んでいます。
・当社はグリーンモビリティ(車両の電動化)に貢献する事業を行っており、電動業務用車両の普及を目的とした「電動車活用推進コンソーシアム」に参画しています。

スコープ3を対象とした取り組み

・Scope3の中でも、特に「販売した製品の使用」における温室効果ガス排出量はバリューチェーン全体の97%以上を占めており、次の2つに分けて削減目標を掲げています。
・販売したエネルギー供給製品・サービス(発電プラントなど)の使用による温室効果ガス排出量については、火力発電において、石炭火力建設工事の新規受注を停止し、他社製品含めて低効率機器の高効率化に向けた改造・更新を推進することで、2030年度までに50%削減します。
・また、販売したエネルギー消費製品・サービスの使用による温室効果ガス排出量に関しては、社会インフラ製品、ビル関連製品(空調機器、照明機器、昇降機)、リテール&プリンティング機器における、パワーデバイスなどを活用した省エネ性能向上や、デジタル技術の活用で機器の負荷を低減させることなどにより2030年度までに14%削減します。

温室効果ガス削減に関するその他の取り組み

・重電機器の絶縁用SF6(六フッ化硫黄)や、半導体製造用のPFCsガス(パーフルオロカーボン類)の会収装置・除害装置の設置を積極的に行っています。
・温室効果ガスの排出量の把握については第三者検証を受けています。

森林・土地利用・農業等の自然環境を対象とした取り組み

・「愛知目標」の中で事業と関連の強い項目に対する活動を、グローバル63拠点で推進しています。
・2019年度は、海外での雑草駆除による侵略的外来種対策、生物多様性の保全をめざした魚類の放流、日本国内での絶滅危惧種ウンラン自生地での植生マップ作成や、事業所内でのビオトープ構築による希少生物の保護活動など、国内外で様々な活動を実施しました。
→生物多様性の保全

気候変動に関する情報開示の推進

・2019年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、提言に沿った情報開示を進めています。また、「TCFDコンソーシアム」にも参画しています。
・CDP気候変動、CDP水セキュリティについて、継続的に回答しています。2020年度のCDP気候変動では、スコアAの評価でした。

市民の気候変動への理解・行動を促す取り組み

環境コミュニケーションの一環として、「子ども向け環境教育プログラム」や、世界各地の東芝グループで展開している従業員参加型の環境活動「グローバル環境アクション」を実施しています。地域住民の方々やNPO・NGOなどと連携した活動によってコミュニケーションを図っています。

適応対策およびレジリエンスの向上

・製品・サービスでは、気象レーダや雨水排水処理システム、防災情報システム、自立型水素エネルギー供給システムなどを提供しています。
・BCP対策としては、大規模な水害発生リスクが想定される地域での設備床上や高床設置の非常電源を設置、免震構造や非常用発電機などを採用したオフィスの建設、サプライヤーのマルチ化などを行っています。
→気候変動による影響に対応する「適応策」

金融を通じた取り組み

・気候変動については、今後の経営における「対処すべき課題」の一つとして認識し、「有価証券報告書」「統合報告書」においても情報開示しています。
・なお、TCFDへの参画のほか、「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」といった、国際的なESGインデックスに採用されています。
→社外からの評価

このような協働を求めています

東芝グループは健全な経営のもと、あらゆる事業活動を通じて、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)の強化に努め、さまざまなステークホルダーの皆様と連携しながら、豊かな価値を創造します。