取り組みの概要

東京都はコロナ禍を乗り越え、その先に持続可能な経済成長を目指す「サステナブル・リカバリー」の取組を進めています。
2020年12月には、より深刻化する気候危機に立ち向かう行動を起こすべく、「気候非常事態を超えて行動を加速する宣言」”Climate Emergency Declaration: TIME TO ACT”を表明しました。
今こそ、行動すること”TIME TO ACT”を合言葉に、様々な機会を捉え、国内外のあらゆる主体に行動の加速を呼び掛け、世界の脱炭素化に貢献していきます。

気候変動対策の短中長期の目標

2019年12月、「ゼロエミッション東京戦略」を策定し、2050年までにCO2排出実質ゼロを目指すロードマップや具体的取組を発表しました。2050年CO2排出実質ゼロに向けては、2030年までの今後の10年間の行動が非常に重要です。このため、都は、2021年1月に、2030年までに都内温室効果ガス排出量を50%削減(2000年比)すること、再生可能エネルギーによる電力利用割合を50%程度まで高めることを表明し、その実現に向けて、2021年3月には「ゼロエミッション東京戦略 2020 Update & Report」を策定し、政策のアップデートを行いました。
“今こそ、行動を加速する時:TIME TO ACT”を合言葉に、国内外のあらゆる主体に行動の加速を呼びかけ、「脱炭素」という世界共通のゴールに向けて更なる連携・協働を進めていきます。
【2030年までの目標】
・都内温室効果ガス排出量 2000年比で50%削減
・都内エネルギー消費量 2000年比で50%削減

「ゼロエミッション東京戦略 2020 Update & Report」はこちら
「ゼロエミッション東京戦略」はこちら

再生可能エネルギー利用の推進

東京はエネルギーの大消費地であり、脱炭素社会実現に向けて、エネルギーの消費効率の最大化と脱炭素エネルギーへの転換は必須です。
都有施設では、2019年度から「都庁舎版RE100」の実施や、2020年度から都内産卒FIT電力も含む再エネ100%電力を積極的に活用していく「とちょう電力プラン」を開始しました。
また、初期費用ゼロでの太陽光発電導入支援やキャップ&トレード制度等による再エネ電力利用を促す仕組、再エネ電力のグループ購入モデル事業(「みい電」キャンペーン)等の実施により、都民・事業者の再エネ利用も推進しています。
本年1月には2030年に向けた目標を強化しており、今後の更なる再エネ利用の拡大につなげていきます。
【2030年までの目標】
・再生可能エネルギーによる電力利用割合 50%程度

エネルギー効率の向上

新築・既存建物における省エネ・再エネの強化に包括的に取り組んでいます。新築対策としては、建物の新増築時に建築主に省エネ性能等に関する積極的な取組を促す建築物計画書制度(2020年度から省エネ性能評価の最高ランクとなる「ZEB評価」等を導入)を、既存対策としては、オフィスビル等大規模事業所を対象とした世界初の都市型キャップ&トレード制度や、中小規模事業所にCO2排出量と対策状況の報告を求める地球温暖化対策報告書制度を運用しています。また、住宅対策として、省エネ家電への買替を促進する取組や、「東京ゼロエミ住宅」の更なる普及など住宅の省エネ性能の向上を図る取組を実施しています。
更に、2020年12月、乗用車及び二輪車の都内新車販売を100%非ガソリン化する目標を掲げ、ZEVの導入拡大や、充電器や水素ステーション設置のインフラ整備等に取り組んでいます。また、水素エネルギーの普及拡大に向けては、2020年12月に、世界的な水素ビジネスを展開する企業と連携して「東京水素イニシアティブ」会議を開催し、水素技術の更なる社会実装に向けた取組を進めるほか、トラック等の商用FCモビリティや将来的な再生可能エネルギー由来CO2フリー水素の本格活用社会に向けた取組等を推進していきます。
【目標】
都内乗用車新車販売 100%非ガソリン化(2030年まで)
都内二輪車新車販売 100%非ガソリン化(2035年まで)

スコープ3を対象とした取り組み

東京は、エネルギー・資源の利用に大きな影響力を有する大都市の責務として、先導的取組を行い、国内外のCO2排出削減に貢献していきます。
CO2実質ゼロに貢献する持続可能な資源利用の実現を目指して、資源等の調達、製造、流通、消費者による使用、廃棄・リサイクル等というサプライチェーンのあらゆる段階を視野に入れ、これまでの大量消費型の資源利用のあり方を見直し、ライフスタイルの変革を速やかに進めていきます。
3Rの推進に取り組むほか、プラスチック対策では飲料業界とのコンソーシアムでペットボトルのボトルtoボトルを推進するなど先進的な企業と連携した取組をはじめ、様々な施策を展開しています。
また、食品ロス対策においては、食品ロス削減パートナーシップ会議など、消費者、事業者、関係団体等と連携を図りながら、食品ロスの削減を推進しています。

温室効果ガス削減に関するその他の取り組み

第一種特定製品の適正管理や機器廃棄時のフロン類回収などが徹底されるようフロン排出抑制法の周知とともに、立入検査等に取り組んでいます。また、第一種フロン類充填回収業者の登録・指導等も行っています。

【代替フロン(HFCs)の排出削減目標】
・2030年度には2014年度比35%減

森林・土地利用・農業等の自然環境を対象とした取り組み

自然地を一定規模以上含む敷地に建築物の新築等を行う場合、基準に適合した緑地の確保や既存樹木の保護の検討などを開発者に義務付けています。
一定面積以上の建築物の新築・増改築等を行う際に、緑化計画書の届出を義務付けることで、新たな緑の創出を促進しています。
都内に残された貴重な自然地の保護と回復を図るため、自然保護条例に基づき保全地域を指定しています。
森林の公益的機能を回復させることを目的として、荒廃した多摩の森林において間伐、枝打ち等を実施しています。

気候変動に関する情報開示の推進

CDPの質問票に回答しています。
都公式ホームぺージ及びSNSへの各種情報の掲載により、情報開示に取り組んでいます。

市民の気候変動への理解・行動を促す取り組み

多くの企業やNGO等と連携した「チームもったいない」の推進など、都民の脱炭素化に向けた取組の環を広げるとともに行動を後押しする取組を実施しています。

また、『このままじゃいけない!クレイジーにいこう!!』をキーフレーズに、企業・団体や若者アンバサダー等と連携した、SDGsの実現にも貢献するゼロエミアクションの推進に取り組んでいます(2021.6.24~)
◆DO!NUTS TOKYO~「気候危機」をサステナブルな未来への「チャンス」に~
https://donutstokyo.org/

適応対策およびレジリエンスの向上

都内における気候変動の影響を踏まえた、自然災害、健康、農林水産業など幅広い分野で、都⺠⽣活や⾃然環境への影響被害を可能な限り回避、軽減するため、「東京都気候変動適応方針(2019年12月策定)」で示した考え方に加え、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進などの視点も取り入れながら、持続可能な回復を目指す「サステナブル・リカバリー」の考え方に立って、「東京都気候変動適応計画」を2021年3月に策定しました。
ゼロエミッション東京の実現に向けた取組に加え、本計画に基づく様々な施策を展開することで、気候変動の緩和と適応の両面から総合的に施策を展開し、極端な気象変化から都⺠の⽣命と財産を守る強靭な都市を築いていきます。

金融を通じた取り組み

都は国際金融都市としてのプレゼンス向上と金融による社会的課題解決への貢献に向け、都民や企業等の環境対策への投資機会を創出するなど、投資資金が環境対策に活用される流れを活性化していきます。
国内自治体の先駆けとなった「東京グリーンボンド」を継続発行するほか、水素ステーションの整備などに、官民連携ファンドのスキームを活用する「サステナブルエネルギーファンド(仮称)」を創設します。
また、環境への投資を中心とする「資金」が国内外から東京に集まる、その仕組みを「Tokyo Green Finance Market(仮称)」として構築するため検討を進めています。

排出実質ゼロへの取組み:Race to Zero Circle

【ネットゼロの目標年】
2050年

【中期目標】
・2030年までに都内温室効果ガス排出量 2000年比で50%削減
・2030年までに都内エネルギー消費量 2000年比で50%削減

【最新のインベントリや目標】
東京都の温室効果ガス排出量

【参加している他のRace To Zeroパートナー】
ICLEI
Deadline 2020