取り組みの概要

パリ協定から10年。世界が目指す「1.5℃目標」の達成に貢献する2050年ゼロエミッション東京の実現に向け、東京都は再生可能エネルギーの基幹エネルギー化やエネルギー効率の最大化、水素エネルギーの社会実装、サーキュラーエコノミーへの移行、適応策の強化など、あらゆる取組を戦略的に展開し、世界のモデルとなる「脱炭素都市」を実現していきます。

カーボンハーフのその先へ。東京都は、世界の都市の皆様と知見を高め合い、力を合わせていきたいと思います。

気候変動対策の短中長期の目標

2019年12月、「ゼロエミッション東京戦略」を策定し、2050年までにCO2排出実質ゼロを目指すロードマップや具体的取組を発表しました。さらに、2021年1月に、2030年までに都内温室効果ガス排出量を50%削減(2000年比)すること、再生可能エネルギーによる電力利用割合を50%程度まで高めることを表明しました。2025年3月には、2030年カーボンハーフとその先の未来を見据え、「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」を策定し、2035年までに温室効果ガス排出量を2000年比で60%以上削減する新目標とその実現に向けた31の個別目標を掲げました。
【2035年までの目標】
・都内温室効果ガス排出量 2000年比で60%以上削減
・31の個別目標はこちらのゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフをご覧ください。

再生可能エネルギー利用の推進

東京はエネルギーの大消費地であり、脱炭素社会実現に向けて、エネルギーの消費効率の最大化と脱炭素エネルギーへの転換は必須です。
建物が密集する東京の特徴を踏まえ、2025年4月に新築建物への太陽光発電設備設置を義務付ける制度を新設し、大胆な支援策を開始するなど、再エネ導入の更なる加速化に向け、取組を強化しました。また、都内産卒FIT電力も含む再エネ100%電力を積極的に活用していく「とちょう電力プラン」やキャップ&トレード制度等による再エネ電力利用を促す仕組により、都民・事業者の再エネ利用も推進しています。
今後も再エネの実装拡大に向け、「薄く・軽く・曲がる」という特徴をもった日本発の次世代型太陽電池、Airソーラーの普及拡大、伊豆諸島における浮体式洋上風力発電のGW級ファームの導入など、実効性ある施策を推進していきます。
【2035年までの目標】
・再生可能エネルギーによる電力利用割合 60%以上 等

エネルギー効率の向上

新築・既存建物における省エネ・再エネの強化に包括的に取り組んでいます。新築対策としては、2025年4月から、新築住宅等を対象とした、太陽光パネルの設置、断熱・省エネ性能の確保を義務化する制度を開始しました。既存住宅では、太陽光パネル、蓄電池の導入や、断熱改修等への支援を行い、「燃費のいい家」が急速に広がっています。
また、既存対策として、オフィスビル等大規模事業所を対象とした世界初の都市型キャップ&トレード制度や、中小規模事業所にCO2排出量と対策状況の報告を求める地球温暖化対策報告書制度を運用しています。
更に、2020年12月、乗用車及び二輪車の都内新車販売を100%非ガソリン化する目標を掲げ、ZEVの導入拡大や、充電設備や水素ステーション設置のインフラ整備等に取り組んでいます。
【目標】
都内乗用車新車販売 100%非ガソリン化を維持(2035年まで)
(100%非ガソリン化(2030年まで))
都内二輪車新車販売 100%非ガソリン化(2035年まで)

スコープ3を対象とした取り組み

東京都は、エネルギー・資源の利用に大きな影響力を有する大都市の責務として、先導的取組を行い、国内外のCO2排出削減に貢献していきます。
CO2実質ゼロに貢献する持続可能な資源利用の実現を目指して、資源等の調達、製造、流通、消費者による使用、廃棄・リサイクル等というサプライチェーンのあらゆる段階を視野に入れ、これまでの大量消費型の資源利用のあり方を見直し、サーキュラーエコノミーへの移行を促進する取組を軸に、持続可能な資源利用の実現に向けた社会変革を加速させていきます。
都庁自らの行動としては、物品や公共工事用資材の調達時にScope3の視点を順次導入しています。
また、新築建物を対象とした建築物環境計画書制度を通じ建築のサプライチェーン排出対策を推進しています。その他、Scope3を含めたCO2排出量の見える化やCO2削減に取り組む中小企業への支援、SAF又はバイオ燃料を使用した航空及び海上貨物輸送を利用する事業者へのSAF等の使用に伴う輸送料の上乗せ分の支援等により、企業のScope3への対応を支援しています。

温室効果ガス削減に関するその他の取り組み

ノンフロン機器の導入促進に加え、第一種特定製品の適正管理や機器廃棄時のフロン類回収などが徹底されるようフロン排出抑制法の周知とともに、立入検査等に取り組んでいます。第一種フロン類充填回収業者の登録・指導等も行っています。
また、水素エネルギーの普及拡大に向けては、国際会議「HENCA Tokyo」の開催や合意書等を締結した海外都市等との連携により、国際サプライチェーンの構築等を推進するほか、取引の活性化、都内グリーン水素利用事業者等の認証、他県と連携した利活用促進等により、将来のグリーン水素本格活用に向け取組を推進していきます。

【目標】
・代替フロン(HFCs)の排出量 2014年度比70%減(2035年まで)

森林・土地利用・農業等の自然環境を対象とした取り組み

自然地を一定規模以上含む敷地に建築物の新築等を行う場合、基準に適合した緑地の確保や既存樹木の保護の検討などを開発者に義務付けています。
一定面積以上の建築物の新築・増改築等を行う際に、緑化計画書の届出を義務付けることで、新たな緑の創出を促進しています。
都内に残された貴重な自然地の保護と回復を図るため、自然保護条例に基づき保全地域を指定しています。
森林の公益的機能を回復させることを目的として、荒廃した多摩の森林において間伐、枝打ち等を実施しています。

気候変動に関する情報開示の推進

CDPの質問票に回答しています。
都公式ホームぺージ及びSNSへの各種情報の掲載により、情報開示に取り組んでいます。

市民の気候変動への理解・行動を促す取り組み

脱炭素社会の実現に向け、電力を「へらす」「つくる」「ためる」、その日本語の頭文字を取った「HTT」を合言葉に、企業や都民に対して、行動変容を呼びかけるキャンペーンを展開しています。
また、多くの企業やNGO等と連携した「チームもったいない」の推進など、都民の脱炭素化に向けた取組の環を広げるとともに行動を後押しする取組を実施しています。

適応対策およびレジリエンスの向上

都内における気候変動の影響を踏まえた、自然災害、健康、農林水産業など幅広い分野で、都民生活や自然環境への影響被害を可能な限り回避、軽減するため、「東京都気候変動適応計画」を2021年3月に策定し、2024年に改定しました。
また、風水害を始めとする災害の危機から都民の生命と暮らしを守るため、2022年にTOKYO強靭化プロジェクトを立ち上げ、2023年にTOKYO強靭化プロジェクトupgrade Ⅰを公表しました。
ゼロエミッション東京の実現に向けた取組に加え、これらの計画に基づく様々な施策を展開することで、気候変動の緩和と適応の両面から総合的に施策を展開し、都民の生命と財産を守る強靭な都市を築いていきます。

金融を通じた取り組み

都は国際金融都市としてのプレゼンス向上と金融による社会的課題解決への貢献に向け、都民や企業等の環境対策への投資機会を創出するなど、投資資金が環境対策に活用される流れを活性化していきます。
全国の自治体に先駆けて発行した「東京グリーンボンド」に、海洋環境の保全等を対象に加えた「東京グリーン・ブルーボンド」を継続発行するとともに、2025年度には、「TOKYO強靭化プロジェクト」のうち気候変動により激甚化する風水害対策事業を資金使途とした「TOKYOレジリエンスボンド」を新たに発行しました。
また、2024年2月には「創エネ・蓄エネ推進ファンド」を創設しました。都は20億円を出資し、民間投資の呼び水となることで、再エネ導入拡大に資する系統用蓄電池ビジネスのファイナンスモデルの確立を後押ししています。

排出実質ゼロへの取組み:Race to Zero Circle

【ネットゼロの目標年】
2050年

【中期目標】
・都内温室効果ガス排出量
2000年比で50%削減(2030年まで)
2000年比で60%以上削減(2035年まで)
・都内エネルギー消費量
2000年比で50%削減(2030年まで)
2000年比で50%以上削減(2035年まで)

【最新のインベントリや目標】
東京都の温室効果ガス排出量

このような協働を求めています

都市や国を始めとしたあらゆるステークホルダーと連携し、脱炭素化と共にレジリエンスも向上させる取組を加速し、気候変動対策において実行力を発揮していきます。