取り組みの概要
気候変動はインフロニアグループの重要経営課題の一つであり、官民連携によるインフラの維持管理・修繕・更新や新規建設において、カーボンニュートラルの取り組みが加わった市場がより急速に拡大すると認識しています。当社グループは2050年までに温室効果ガス(以下、GHG)排出量を「実質ゼロ」とする目標を掲げ、気候変動への取り組みを強化すると共に、エネルギー使用の削減と効率化に取り組みを進めています。
気候変動対策の短中長期の目標
当社グループは「2050年カーボンニュートラル」に向け、2030年にGHG排出量の削減目標を2018年度比40%削減としていましたが、取り組みを加速させるため新たな目標を掲げました。2021年度を基準年とし、2030年にスコープ1+2を45.8%削減、スコープ3を25%削減としています。この新たな目標は、2024年11月にSBTイニシアチブより認証を受けています。
再生可能エネルギー利用の推進
事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる国際的なイニシアチブです。インフロニアは、2022年5月「RE100」に加盟し、日本気候リーダーズ・パートナーシップにも加盟しました。RE100を通じて、気候変動、脱炭素に関連する国内外の重要動向の把握や企業活動の脱炭素化へ挑戦、企業からの意欲的な政策提言や脱炭素ビジネスへの協働を推進していきます。
インフロニアグループの再生可能エネルギーの調達について「事業活動で利用する電力を2030年度までに60%、2050年度までに100%、再生可能エネルギーで調達する」ことを目標として設定しています。
総合インフラサービス企業として、温室効果ガス排出量削減の技術や製品の開発、再生可能エネルギー事業のさらなる推進とあわせ、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
エネルギー効率の向上
ZEB・ZEHの推進
当社グループの事業会社である前田建設は「2050年カーボンニュートラル」に向け、建物のZEB、ZEH※1化を推進しています。
ZEBにおいては、新築、改修に応える「W ZEB」(ダブル・ゼブ)に取り組んでいます。自社実績案件では、社内関係部署によるコミッショニング※2WGを発足し、エネルギー消費量の調査・分析から、要素技術の改良・改善を行い、運用の最適化を目指しています。
ZEHでは、得意とする集合住宅建築においてZEH-M※1の設計・施工を推進しており、一般社団法人環境共創イニシアチブが公募する、ZEH-M普及の中心的な役割を担う「ZEHデベロッパー」(C登録)に登録認定されました。
KPI(2030年度目標)として、設計施工非住宅案件のZEB採用率40%を掲げています。今後もZEB、ZEHを推進していきます。
▶取り組み実績・件数についての詳細はこちらをご覧ください。
※1 ZEB・ZEH・ZEH-M(ゼブ・ゼッチ・ゼッチ・マンション):Net Zero Energy Building & Net Zero Energy House & Net Zero Energy House Mansionの略称。年間の一次エネルギー消費量が正味またはマイナスの建築物・住宅のこと。
※2 コミッショニング 建築・設備の性能が適正に発揮できているかを検証すること。
温室効果ガス削減に関するその他の取り組み
当社グループは2024年1月に日本風力開発株式会社の株式取得(完全子会社化)を完了しました。互いに保有している風力発電事業に関するケイパビリティや強みを補完・相互活用することにより、一気通貫で再生可能エネルギー事業を広く展開できる唯一無二の集団となること、ひいては今後更なる拡大が見込まれている風力発電市場において、名実ともにナンバーワンの企業グループとして、カーボンニュートラル実現に向けたあらゆる社会課題を解決するとともに、共に成長してまいります。
気候変動に関する情報開示の推進
当社グループは、2022年6月に「気候変動財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明し、情報開示を実施しました。段階的に開示情報の拡充に努めています。リスクと機会を特定し、その対応策を進めることで自社の排出削減とレジリエンス強化及び事業成長の両立を目指していきます。