取り組みの概要
当社グループは「いざというときに人の役に立ちたい」という理念のもと、「船乗りの命を守りたい。地球の未来も守りたい。」というDreamを掲げ、気象・気候サービスを通じたリスクの最小化と環境負荷低減に取り組んでいます。独自の気象予測技術とビッグデータ解析を活用し、顧客の事業利益最大化と温室効果ガス削減(気候変動の緩和)、極端気象へのレジリエンス向上(気候変動への適応)の両立を支援しています。
また、自社の事業活動においても「環境基本方針」や「移行計画・適応計画」を策定し、2030年度までのSBT認定目標(スコープ1・2の50%削減、スコープ3の25%削減)の達成や、独自のスコープ1・2実質ゼロ目標にコミットしています。さらにTCFD提言に基づく情報開示や、「生物多様性のための30by30アライアンス」参画によるネイチャーポジティブへの貢献など、国際的な枠組みに沿ったサステナビリティ経営を推進しています。
気候変動対策の短中長期の目標
「移行計画・適応計画」を策定・公表し、脱炭素社会の実現に向けた短中長期の具体的なビジョンと数値目標を定めています。本計画に基づき、国際的なイニシアチブであるSBTiの認定を取得し、2030年度までにスコープ1・2の排出量を2022年度比で50%削減、スコープ3を25%削減する科学的根拠に基づいた目標を掲げています。さらに、このSBT認定を上回る野心的な独自目標として、2030年までにスコープ1・2の排出量を「実質ゼロ」にすることにコミットし、取り組みを加速させています。
再生可能エネルギー利用の推進
2030年に向けたスコープ1および2の実質ゼロ目標の達成に向け、事業活動における使用電力の再生可能エネルギー化を推進しています。2023年4月には、本社ビルにおけるオフィス電力を実質再生可能エネルギー由来の電力へと切り替えました。また、オランダ、フランス、ギリシャなどの海外の営業・運営オフィスにおいても、100%再生可能エネルギー由来の電力メニューを導入しており、報告年における事業全体の再生可能エネルギー率は約90%に達しています。
エネルギー効率の向上
データセンターによるオンプレミスでのサービス運営から、低消費電力クラウドを活用したシステム運用への移行を推進し、エネルギー効率の向上と物理的リスクの低減に取り組んでいます。また、オフィス利用の最適化を進めており、一部の地方拠点(大阪・福岡など)を賃貸ビルからシェアオフィスへと移転させることで、スコープ2の電力消費量を削減しました。これらの省エネ化やクラウド化の継続的な取り組みを通じて、事業全体のエネルギー効率を高め、着実な排出削減に努めています。
スコープ3を対象とした取り組み
バリューチェーン全体での排出量削減に向けてスコープ3の全カテゴリーの排出量を算定しています。また「グリーン調達ガイドライン」を策定し、年間取引額が一定額以上のサプライヤーに対しGHG排出量の開示や削減の取り組みを推奨し協働しています。
温室効果ガス削減に関するその他の取り組み
当社の「環境運航支援サービス」等を通じて顧客企業の燃料削減を支援し、社会全体の脱炭素化に貢献する「CO2削減貢献量」を算定しており、2033年までに3,800万トンへ増加させるコミットメントを掲げています。
また、社内での低炭素投資と脱炭素化に向けた意識醸成を促進するため、インターナル・カーボンプライシング(ICP)制度を導入しています。国際エネルギー機関(IEA)のシナリオ等を参考に社内炭素価格を20,000円/t-CO2に設定し、一定額以上の投資案件における意思決定の判断材料として活用しています。また、従業員のESG活動を称える社内表彰制度「『地球の未来』貢献賞」を新設し、従業員の主体的な環境保全・排出削減活動へのモチベーション向上を図っています。
森林・土地利用・農業等の自然環境を対象とした取り組み
生物多様性国家戦略の「30by30目標」達成に向けた「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画しています。具体的には、千葉市にある自然共生サイト「堂谷津の里」での里山林・水田の整備や生物調査などの支援活動を行っています。さらに、個人向けアプリを通じてユーザーと共に「さくらプロジェクト」等の企画を実施し、長年にわたり生物多様性や生態系の変化の継続的なモニタリングを行うことで、生物多様性の保全と状況の「見える化」に貢献しています。
気候変動に関する情報開示の推進
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会について、TCFDのフレームワークに基づいた情報開示を積極的に行っています。有価証券報告書やESG活動報告書、自主的な開示書類を通じて、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に関する詳細な情報を公開しています。さらにCDP質問書への回答を通じて、気候変動対策に関する情報の透明性向上と、ステークホルダーとの建設的な対話に努めています。
市民の気候変動への理解・行動を促す取り組み
お天気アプリ「ウェザーニュース」や動画番組「ウェザーニュースLiVE」を通じ、月間数千万人のユーザーへ気象、防災、環境に関する情報を発信しています。環境省と「気候変動適応の促進に関する連携協定」を締結し、熱中症対策や生物多様性への影響と適応策をテーマにした番組を配信しています。視聴者との双方向コミュニケーションを通じて、国民の気候変動適応策に対する認知度向上と、一人ひとりの具体的な行動変容を促すための啓発活動を官民連携で推進しています。
適応対策およびレジリエンスの向上
2024年9月に、気候変動に伴うリスクと機会に対処するための「移行計画・適応計画」を策定・公表しました。自社の事業継続を脅かす洪水・高潮などの物理的リスクをTCFD提言に基づき定量的に分析し、システムのクラウド化などを通じて自社のレジリエンス強化を図っています。具体的には、物理的リスクによる事業インパクトを2026年度末までに2022年度比で50%削減する目標を掲げて実行しています。また、自社の対策にとどまらず、独自の気象データを活用した「気候テック事業」や災害対策判断支援サービス等を通じて顧客企業や自治体の適応策を支援し、社会全体のレジリエンス向上にも貢献しています。
金融を通じた取り組み
現在のところ、当社の主たる事業活動において直接該当する金融を通じた取組み(独自のESG投資の実施やダイベストメントなど)はございません。ただし、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同やCDPを通じた透明性の高い情報開示を行うことで、機関投資家等によるESG評価の向上やサステナブルファイナンスの促進に間接的に貢献できるよう努めております。
このような協働を求めています
当社は、人間社会・企業活動・地球環境がともに持続可能となる社会の実現に向け、多様なステークホルダーとの協働を通じて取り組みを加速させていきます。
1.社会全体の適応・緩和の推進:環境省との連携協定に基づく適応啓発や政策形成への協働を推進します。さらに、当社の気象データや気候テックを活用し、気候変動へのレジリエンス強化や脱炭素化を共に目指す企業・自治体との協働を深めていきます。
2.サプライチェーンの脱炭素化:「グリーン調達ガイドライン」を運用し、サプライヤーと協働してスコープ3の排出削減を推進します。
3.生物多様性の保全:「30by30アライアンス」に参画し、NPO等と自然共生サイトでの保全活動を行っており、今後も地域と連携した自然環境の保護・回復に向けた協働を拡大します。