取り組みの概要
株式会社TBM（以下、TBM）は、石灰石を主原料とし、紙やプラスチックの代替となる新素材「LIMEX（ライメックス）」を開発・製造・販売しています。日本経済新聞社のNEXTユニコーン調査（国内未上場ベンチャー企業調査）において、企業価値ランキング第4位に選ばれています。
循環型社会の構築に向け、サステナビリティを事業活動の軸としています。資源循環の強化・効率化による気候変動対策への貢献を目指し、環境配慮型の素材・製品を開発すると同時に、事業者や自治体（神奈川県、福井県鯖江市）との協業による循環システムの構築にも注力しています。製品開発においてはライフサイクルアセスメントの手法も取り入れ、エコロジーとエコノミーの両立を目指しています。
こうした取り組みをご評価いただき、2018年12月にポーランドで開催されたCOP24に日本代表団の一員として参加しました。
未上場企業ですが、JCIやJCLP等の業界横断的な気候変動イニシアチブに積極的に参加すると共に、自社の気候変動対策レベルの評価と事業の透明性向上を目的に2017年度よりCDPにも毎年自主的に回答しています。
CDPレポートの冊子にも、LIMEXはご活用いただいています。
COP24への参加
CDPレポートへの採用
気候変動対策の短中長期の目標
・再生可能エネルギーの導入目標：2030年に再エネ100%を目指しています。
・ライフサイクル全体でGHG排出量の小さい原材料を選択するなどして、パリ協定が掲げる1.5℃目標の達成に大きく貢献する製品の開発に取り組み続けます。
再生可能エネルギー利用の推進
・再生可能エネルギーの導入目標：2030年に再エネ100%を目指しています。
・電力供給事業者との協議を通じ、最適な電力調達体制の構築を図っています。
エネルギー効率の向上
・生産設備の改修・更新により、工場でのエネルギー効率向上を図っています。
・オフィスでは、クールビズの徹底等による省エネルギーを推進しています。
スコープ３を対象とした取り組み
・カテゴリー7の「従業員の通勤」の排出量を算定しています。今後も算定範囲を拡大していきます。
・原材料調達・製造・廃棄時のGHG排出量が少ない製品（包装材等）を開発し、スコープ3の排出削減に取り組んでいます。
温室効果ガス削減に関するその他の取り組み
・未上場企業ではありますが、自主的にCDPに回答しており、GHGの排出量把握・開示に努めています。
・中小規模の事業者でも気候変動対策に取り組めることを講演等で積極的に発信しています。
森林・土地利用・農業等の自然環境を対象とした取り組み
・TBMの主力商品である、紙代替としてのLIMEXシートは、通常の紙製品とは異なり木材パルプを使用していないため、森林伐採防止に貢献します。2019年4月までに累積で8,718本の木に相当する量の木材パルプを代替しています。
気候変動に関する情報開示の推進
・未上場企業ではありますが、自主的にCDPに回答しており、GHGの排出量把握・開示に努めています。自社ウェブサイトでも、ESG情報開示の一環として、気候変動対策について情報を開示しています。
・上場を機に、サステナビリティレポートおよび／または統合報告書での気候変動対策に関するレポーティングを開始します。
市民の気候変動への理解・行動を促す取り組み
・LIMEXの活用による環境負荷削減効果を見える化する「LIMEX ACTION」という特設ウェブサイトを運営しています。
LIMEX ACTION
・事業パートナーとの対話や講演等において、積極的に気候変動対策への取り組み加速を促しています。
COP24への参加
適応対策およびレジリエンスの向上
・TBMの主力商品である、紙代替としてのLIMEXシートは、通常の紙製品とは異なり原料調達および製造時に多量の水を必要としないため、水資源保全に貢献します。2019年4月までに累積で38,593 kl の水資源保全効果をもたらしています。これにより、気候変動による水ストレスの軽減に間接的に貢献しています。
このような協働を求めています
・気候変動対策の一環として循環型社会の構築に取り組んでいるため、循環システム構築に欠かせない分別・回収を行う事業者ならびに協力してくださる自治体を探しています。
参考①：神奈川県との協働
参考②：福井県鯖江市との協働
・未上場企業・ベンチャー企業であっても気候変動対策に取り組めること、更にその取り組みが企業価値向上につながることを示したいと考えています。モニタリング・レポーティングの標準化ならびに測定の容易化に取り組む方と協働したいです。
・大企業に比べて購買力の低い未上場企業・ベンチャー企業でも導入しやすい、コスト負担を最低限に抑えた再生可能エネルギー由来の電力を求めています。
