取り組みの概要

明電グループでは「人のため、社会のため、そしてこの地球をより住みやすくするため環境に貢献する」ことを基本理念とし、持続可能な社会の実現に向けて、気候変動の緩和及び気候変動への適応、資源の循環、生物多様性の保全を課題として、環境経営に取組み、企業の発展を目指しています。

気候変動対策の短中長期の目標

明電舎は、2021年度からの中期経営計画スタートに合わせ、2030年度の温室効果ガス排出削減目標を上方修正し、SBT(Science Based Targets)認定を取得しました。2030年度までに、2019年度比で、事業活動に伴う排出(Scope1+2)の30%削減、また製品の使用段階の排出(Scope3カテゴリ11)の15%削減を目指します。
中長期温室効果ガス排出削減目標を引き上げ、SBT認定を取得

再生可能エネルギー利用の推進

再生可能エネルギー電力の導入を推進しています。2019年11月より、子会社である株式会社エムウインズの銚子しおさい風力発電所(千葉県銚子市)に由来するCO2フリー電力を、総合研究所(東京都品川区)等に調達しています。また、2021年4月からは、主要生産拠点のひとつである太田事業所(群馬県太田市)にても、群馬県内の水力発電所に由来するCO2フリー電力に切り替えました。
CO2フリー電力を調達

エネルギー効率の向上

照明や空調設備、生産設備を高効率なものに更新するなど、計画的に設備投資をしています。また、電力消費量の見える化を進め、設備の運用改善に取り組んでいます。
2021年4月からは、低炭素化の設備投資を促進するため、インターナルカーボンプライシングを導入しました。内部炭素価格はまず3000円/トンCO2でスタートし、状況を見ながら価格調整を検討する予定です。

スコープ3を対象とした取り組み

バリューチェーン温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2、Scope3)を算定し、ウェブサイトやCDP質問書回答などで開示しています。事業特性上、Scope3のカテゴリ11(製品の使用段階)の排出割合が最も大きいため、製品の環境配慮設計(高効率化等)や、低炭素事業への転換を図り、削減に取り組んでいます。

温室効果ガス削減に関するその他の取り組み

明電グループは、温室効果の高いSF6ガスを全く使用しない72kV級タンク形真空遮断器を2004年に開発、納入開始し、国内外の電力会社等に2000台以上の納入実績があります。2020年4月には、145kVエコタンク形真空遮断器の開発を完了しました。SF6ガスを使用しない100kV超のクラスの真空遮断器としては世界初の製品となります。

気候変動に関する情報開示の推進

気候変動対策を含む環境関連の情報をウェブサイト内で公開しています。
明電グループのCSR
また、CDP気候変動、CDP水セキュリティについて、継続的に回答しています。
2019年6月にはTCFD提言に対する賛同の意を表明し、TCFDコンソーシアムに参加するとともに、提言に沿った情報開示を進めています。

適応対策およびレジリエンスの向上

明電グループは、日本全国の上下水道の構築と発展に携わってきた実績をもとに、総合水処理メーカとして水処理プラントの設計・製造・施工だけではなく、運営・維持管理までをトータルでサポートしています。
近年、気象変化により、短時間での局地的豪雨とそれに伴う都市浸水が増加しています。明電グループでは、下水道管路の水位や地上に溢れた水位など、これまで管理が難しかった情報をIoT技術により可視化し、クラウド上で情報を共有化することで防災情報を⼀元化する、洪水・浸水対策支援サービスの実証試験に取り組んでいます。
洪水・浸水対策支援サービス

金融を通じた取り組み

2019年7月に、電気自動車用モータ・インバータの量産設備資金を使途とする公募形式によるグリーンボンドを発行しました。グリーンボンドの発行により、資金調達リソースの拡大を図るとともに、当社の環境への積極的な取組みについて、幅広いステークホルダーの皆様に理解を深めていただくことを企図しています。
更に、調達体制を万全にする観点から、コミットメントラインの増枠にも取り組んでいます。グリーンボンドやグリーンローンのようなESG/SDGsファイナンスは当社事業との親和性も高く、「事業の発展」と「環境・社会貢献」を両立できる調達手法と考え、今後の資金需要に応じてサステナビリティボンドやサステナビリティローンなどの組成も検討していきます。