取り組みの概要

当社は2020年8月に経営計画を策定し、「安全」「環境」「品質」を経営方針のひとつの大きな軸としております。2015 年に初めて2050 年までの長期目標を掲げた「“K”LINE 環境ビジョン2050」を公表しましたが、大きく変化する社会情勢を反映させて、2020年6月に当ビジョンの改訂を行いました。 改訂版では、TCFD(気候変動情報開示タスクフォース)が提言するシナリオ分析の結果を踏まえて、目標を「脱炭素化」、「環境影響の限りないゼロ化」の2軸で再整理し、新たに2030年の中期マイルストーンを定めました。特に「脱炭素化」においては、2030年中期マイルストーンとして、IMO(国際海事機関)の定める2030年目標である「CO2排出効率2008年比40%改善」を上回る「CO2排出効率2008年比50%改善」を目指しており、GHG排出ゼロを目指す新技術など具体的な方策についての検証も進めてまいります。

気候変動対策の短中長期の目標

2020年6月に改訂しました”K”LINE環境ビジョン2050において、国際海事機関(IMO)の定める2030年GHG排出削減目標(CO2排出効率40%改善)を上回るCO2排出効率50%改善を定めております。その目標達成に向けて、LNG燃料焚き自動車船や、自然エネルギーを利用する自動カイトシステム Seawing の導入等を進めております。また、2017年2月には「2030年までに運航船舶のCO2排出効率を25%以上削減する(2011年比)」当社目標が、「パリ協定」の「2℃目標」を達成するために科学的に根拠ある水準であることが認められ、国際的イニシアチブ「Science Based Target Initiative (SBTイニシアチブ) 」の認証を取得しました。

再生可能エネルギー利用の推進

当社グループは、バイオマス/風力/太陽光等由来の再生可能エネルギー(電力)の利用を日本、欧州、アジア等で行っております。
一方、風力を利用した自動カイトシステムSeawingについて、2020年8月に一般財団法人日本海事協会よりの設計に関する基本承認(AIP;Approval in Principle)を取得しました。引き続き詳細設計を進め、川崎汽船運航船での自動カイトの運用を目指します。

エネルギー効率の向上

当社独自の統合船舶運航・性能管理システムである『K-IMS』(Kawasaki-Integrated Maritime Solution)を導入しており、このシステムにより、各船の船速、出力、燃料消費量と気象条件を分析し、その気象条件下で安全かつ燃料効率の良い最適航路の選定が可能となりますので、この「K-IMS」の活用を拡大し効率的な運航を追及しております。

スコープ3を対象とした取り組み

第三者認証機関より認証を受けておりますGHG排出認証書について、Scope3についてはカテゴリー1/2/3/5/6/7/13/15を対象としています。(当社HPに開示

温室効果ガス削減に関するその他の取り組み

2019年12月、「技術研究組合 CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)」へ参画しました。褐炭を有効利用した水素製造、輸送・貯蔵、利用からなるCO2フリー水素サプライチェーンの構築を目指し、2030年頃の商用化を見据えた技術確立と実証に取り組んでいきます。
また、2020年12月には水素社会の構築・拡大に取り組む複数の民間企業とともに、水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会」に参画いたしました。「水素バリューチェーン推進協議会」の活動内容(テーマ)に掲げております社会実装プロジェクトの提案・調整等に向け取り組んでいきます。

森林・土地利用・農業等の自然環境を対象とした取り組み

定期的に里山保全活動を行い、生物多様性の保全、良好な景観の形成、環境意識の啓発を目的とした里山の再生に継続的に取り組んでいます。

気候変動に関する情報開示の推進

2018年10月、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。
また、CDP気候変動質問書の中でTCFD提言に沿った回答を行っています。
2016年より、CDP気候変動Aリストに5年連続選定されています。

適応対策およびレジリエンスの向上

地球温暖化により、台風、サイクロン、ハリケーン等の熱帯低気圧が大型化するリスクがあります。前述の統合船舶運航・性能管理システム「K-IMS」の導入により、危険な熱帯低気圧を適切に回避し、安全かつ効率的な運航を追及しております。
また当社海事アカデミーにおける最新の船舶取り扱いシュミレータにより、海事関係者への教育を充実させております。