取り組みの概要

 鹿児島市は、九州南端の薩摩半島の中央東部に位置し、市街地の周辺は、錦江湾(鹿児島湾)や桜島、丘陵・山地など豊かな自然環境に恵まれています。
 この豊かな自然や都市環境を守り、次の世代へ引き継ぐために、2000(平成12)年度に「環境基本計画」(現在は2021(令和3)年度に「第三次環境基本計画」)を策定し、2003(平成15)年度に「環境基本条例」及び「環境保全条例」を制定して、環境の保全及び創造に関する施策を計画的に推進してきました。
 地球温暖化対策については、2012(平成23)年度に策定した「地球温暖化対策アクションプラン」に基づいた様々な取組を進め、2021(令和3)年度には同プランを改定し、2050(令和32)年までにCO排出量の実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティかごしま」の実現に向けて、CO排出削減対策の方向性を示したロードマップを盛り込んだ「ゼロカーボンシティかごしま推進計画」を策定しました。
 また、本市ならではの取組として、ヒートアイランド現象の緩和や都市景観の向上を図るため、市電(路面電車)の軌道敷に芝生などの緑化を行っているほか、環境学習の拠点施設として整備した「かごしま環境未来館」において、各種講座やイベントの開催などを積極的に行っています。

気候変動対策の短中長期の目標

 ゼロカーボンシティかごしま推進計画(2021(令和3)年度策定)において、次のとおりとしています

【CO排出量削減目標】
 2026(令和8)年度  2013(平成25)年度比 マイナス41%
 2031(令和13)年度 2013(平成25)年度比 マイナス48%
 2050(令和32)年度 CO2排出量実質ゼロ

【エネルギー消費量削減率】
 2026(令和8)年度  2013(平成25)年度比 マイナス21.3%
 2031(令和13)年度 2013(平成25)年度比 マイナス27.3%

【再生可能エネルギーによる発電量】
 2026(令和8)年度  752,000MWh
 2031(令和13)年度 827,000MWh

再生可能エネルギー利用の推進

 鹿児島市再生可能エネルギー活用計画(2021(令和3)年度策定)に基づき、太陽光発電設備など再生可能エネルギーの導入拡大や、市有施設におけるゼロカーボン電力の融通システムの構築など再生可能エネルギーの地産地消の仕組みづくりを進めています。

エネルギー効率の向上

 庁舎等へのLED照明の導入などを通じて、エネルギー効率の向上に取組みます。

温室効果ガス削減に関するその他の取り組み

 鹿児島市のCO排出量のうち運輸部門が約35%を占めていることから、市内中心部に設置された複数のサイクルポートで、どこでも自転車の貸出・返却ができるコミュニティサイクル「かごりん」を運営するほか、走行中にCOを排出せず、環境負荷の低減に寄与する電気自動車や燃料電池自動車等へ助成を行うとともに、公用車等に電気自動車等を導入しています。

市民の気候変動への理解・行動を促す取り組み

 持続可能で環境負荷の少ないまちづくりを進めるため、環境教育・環境学習の充実や環境情報の提供などにより、環境に配慮したライフスタイル及びビジネススタイルへの転換を促し、特に家庭や事業者におけるCO排出削減を図ります。また、地球温暖化対策に取り組む市民や事業者等が、その効果を実感できるよう、環境施策の「見える化」を進めます。

適応対策およびレジリエンスの向上

 2021(令和3)年度に策定したゼロカーボンシティかごしま推進計画は、気候変動適応法に基づく地域気候変動適応計画として位置付け、「自然災害や自然生態系に対する影響への適応」や「市民の生活や健康に対する適応」を進めます。

金融を通じた取り組み

 中小企業者に対する事業資金の融資制度において、「環境配慮促進資金」をメニューの1つとしており、信用保証料の一部を鹿児島市が補助します。