取り組みの概要

環境ビジョン2050は、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向けて、クリーンなエネルギーでより良く快適にくらせる社会を目指し、使うエネルギーを削減すると同時に、それを超えるクリーンなエネルギーの創出・活用を進めるものです。
現状、当社では「使うエネルギー」(生産など当社の事業活動で使うエネルギー、当社の製品がお客様のもとで使うエネルギー)の総量に対して、「創るエネルギー」(太陽光発電・蓄電池・エネルギーソリューションなど、当社の製品やサービスが創出・活用可能にするクリーンなエネルギー)の総量は1/10以下にとどまっています。今後は、製品の省エネ性能向上のための技術開発や、モノづくりプロセスの革新で「使うエネルギー」を可能な限り抑制していきます。あわせて、創・蓄エネルギー事業の拡大や、水素社会など新しい社会システムへの貢献を通じてクリーンなエネルギーの活用機会を増大することで、「創るエネルギー」を伸ばしていきます。
こうした取り組みを通じ、2050年に向けて「創るエネルギー」が、「使うエネルギー」を超えることに挑戦していきます。

気候変動対策の短中長期の目標

当社は、2030年までにスコープ1・2でCO2排出量実質ゼロを目標に取り組んでいます。
具体的には、下記の3つの取り組みをグローバルで進めています。
• さらなる省エネ
• 当社拠点における再生可能エネルギーの利活用推進
• 再生可能エネルギーの調達
とりわけ、当社拠点における再生可能エネルギーの利活用推進については、太陽光や水素の利活用などを積極的に進め、再生可能エネルギー100%の拠点をつくることにも挑戦しています。

再生可能エネルギー利用の推進

当社はCO2削減に向けた取り組みとして、太陽光発電など地域ごとの特性に応じた再生可能エネルギーの導入もグローバルで積極的に推進しています。2017年度の大規模導入事例としては、中国地域での太陽光発電システムの導入があります。2017年2月に中国のパナソニック杭州工業園にあるパナソニック APチャイナ(有)(PAPCN)が、当社における一つの製造会社としては最大規模となる約3.5MWの太陽光発電システムを導入しました。二棟の工場建屋の屋上および駐輪場屋根に太陽電池モジュールを設置し、これによりPAPCNの年間電力総需要の約20%を再生可能エネルギー由来の電力でまかなうことができるとともに、杭州工業園内の他の製造会社へも太陽光で発電した電力を供給しています。

エネルギー効率の向上

当社は2030年を目指した電機電子業界を挙げての温暖化防止の自主行動計画である経団連低炭素社会実行計画に参画しています。具体的には、業界が掲げる目標「2030年に向けて、工場と大規模オフィスのエネルギー原単位改善率 年平均1%」の達成を目指して、工場などにおける省エネを着実に進めています。

スコープ3を対象とした取り組み

当社は、2009年度より購入先様とともにECO・VC※2活動に取り組んでいます。この活動は、当社と購入先様が協働して当社商品や購入先様の環境負荷削減と商品力強化・合理化成果獲得の両立を目指す活動です。
これらのECO・VC活動の事例はデータベースに蓄積し、社内で有効活用ができるようにしています。また、優秀事例については、「ECO・VC活動 表彰・交流会」で表彰するとともに、会場に事例を展示して購入先様と共有し、今後の活動の参考にしていただくようにしています。

温室効果ガス削減に関するその他の取り組み

当社が排出するエネルギー起源CO2以外の温室効果ガスは、エアコン工場で製品の冷媒として使用しているHFC(ハイドロフルオロカーボン)、液晶工場でクリーニングガスとして使用しているNF3(三ふっ化窒素)などです。これらの削減に向けて、それぞれ冷媒の漏洩防止や廃冷媒の回収と外部での破壊処理、除外装置の設置などの対策を実施しています。

森林・土地利用・農業等の自然環境を対象とした取り組み

当社は事業活動が生物多様性に与える影響を適切に把握し、その保全に貢献するという目標を掲げ、自治体や環境NGO、専門機関と連携して取り組みを推進しています。具体的には、生物多様性保全を事業へ落とし込んだ取り組みとして推進するため、土地利用・調達・商品の3つを重点分野と位置づけています。

市民の気候変動への理解・行動を促す取り組み

当社は、地球の未来を担う子どもたちが健やかに育ち、能力と可能性を最大限に発揮するために、学びの場を提供することが重要だと考え、子どもたちへの環境教育を推進しており、2009年度から活動をグローバルに展開しています。

適応対策およびレジリエンスの向上

適応策として、以下の2つの側面から取り組みを進めています。
1.当社製品・サービス・ソリューションによる気候変動の影響を低減する取り組み
2.当社の企業活動への影響を低減する取り組み