11月22日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、JCIメンバー向けセミナー「気候変動の危機と世界の動き」を開催しました。
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が2018年10月に発表した1.5度特別報告書は、気候変動が与える様々な影響の深刻さを明らかにし、世界に衝撃を与えました。更にIPCCは、2019年9月に「海洋・雪氷圏特別報告書」を公表し、世界の海洋と氷河で既に進行している温暖化の影響を明確にしました。
これらの報告書の公表を受け、いま先進的に気候変動に取り組む世界の国と地域は、気温上昇を1.5度に抑えるパリ協定の目標に向け、新たな挑戦を開始しています。
本セミナーでは、こうした気候変動に関する最新科学の知見や、多くの政府や非政府アクターが乗り始めた「1.5度」をめぐる世界の潮流について、各分野のエキスパートによる講演とJCIメンバーからの情報提供を行いました。
メンバーセミナー「気候変動の危機と世界の動き」
日時:2019年11月22日(金)10:00-12:30
場所:日比谷国際ビルコンファレンススクエア
主催:気候変動イニシアティブ (Japan Climate Initiative; JCI)
<プログラム>(敬称略)
開会あいさつ・司会
西田 裕子 気候変動イニシアティブ事務局 / 自然エネルギー財団 シニアマネージャー(気候変動)
気候変動の危機と世界の動き
講演1 「気候変動リスクと「卒炭素」への道」
江守 正多 国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長 資料PDF
講演2 「1.5度をめざす世界の国と地域の動向」
山岸 尚之 WWFジャパン 気候変動・エネルギーグループ長 資料PDF
メンバー企業からの発言および質疑応答
寺崎 康介 MS&ADインターリスク総研 上席研究員
渡辺 有史 スイス再保険 チーフ リスク オフィサー ジャパン
<講演者プロフィール>
江守 正多 国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長
1997年に東京大学大学院総合文化研究科博士課程にて博士号(学術)を取得後、国立環境研究所に入所。「地球シミュレータ」の現場で研究を行うために2001年に地球フロンティア研究システムへ出向し、2004年に復職した後、地球環境研究センター気候変動リスク評価研究室長等を経て、2018年より同副研究センター長。地球温暖化研究プログラム総括を経て、2016年より低炭素研究プログラム総括、社会対話・協働推進オフィス代表(兼務)。専門は地球温暖化の将来予測とリスク論。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次・第6次評価報告書主執筆者。著書に「異常気象と人類の選択」等。
山岸 尚之 WWFジャパン 気候変動・エネルギーグループ長
1997年立命館大学国際関係学部入学。同年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に15年間参加し、国際的な提言活動を担当。2011年より気候変動・エネルギーグループ長。