気候変動イニシアティブ(JCI)は、10月6日(金)開催予定の気候変動アクション日本サミット(JCAS)2023に先立ち、気候変動に関する国内外の動向を解説・議論するシリーズウェビナーを開催しています。
第3回は、UNFCCC(国連気候変動枠組条約事務局)が進める国際キャンペーン「Race To Zero」と連携し、アドボカシー活動や政策をネットゼロに整合させるために非政府アクターに求められる行動とは何かを考えます。
世界の気温上昇を1.5℃に抑え、気候変動による危機的な事態を回避するには、温室効果ガス排出量を急激に減らし、2035年には60%削減、2050年までにネットゼロを達成する必要があります。この大きな転換を実現するには、個々の企業や自治体などの自主的な取り組みだけでなく、前向きな移行を後押しする政策が不可欠です。近年国際的に、こうした政策を求めて声を上げる行動が、企業や自治体などの非政府アクターにも求められるようになっています。
2022年11月に国連 非国家主体のネットゼロ宣言に関するハイレベル専門家グループが発表した報告書には、非政府アクターによるネットゼロ宣言のあり方が10の提言にまとめられており、提言6に「ロビー活動とアドボカシー活動を整合させること」、提言10に「規制の導入を加速させること」が提言されています。
また同年6月には、Race To Zeroの参加要件に「Persuade(説得)」が新たに加わりました。これにより、Race To Zero の参加メンバーは、自身が所属する業界団体や政府などに対し、1.5℃目標の実現と整合する行動や政策を積極的に呼びかけることが求められるようになりました。今年6月には、それを解説するハンドブックが発表されました。
今回のJCIウェビナーでは、こうしたネットゼロのためのアドボカシーを取り巻く国際動向や日本企業等による気候アドボカシーやロビイングの現状を解説し、また積極的な取り組み事例を紹介します。ふるってご参加ください。
JCIウェビナー
声を上げる:JCIウェビナー「声を上げる:ネットゼロのためのアドボカシーと政策|非政府アクターに求められる行動とは」
◇日時:2023年9月28日(木) 15:30-17:00
◇主催:Race To Zero、気候変動イニシアティブ(JCI)
◇開催方法:オンライン(Zoom ウェビナー)
◇日英同時通訳あり
◇参加費無料・事前登録制
◇参加登録はこちらをクリック
◇プログラム(9月20日時点。敬称略)
1. 基調講演:国連 ハイレベル専門家グループが提言するネットゼロのためのアドボカシーと政策 資料
三宅 香 日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP) 共同代表/三井住友信託銀行 ESG ソリューション企画推進部フェロー役員
2. 解説:Race To Zeroの新しい要件:Persuadeとは? 資料/5つ目のP(説得)ハンドブック日本語仮訳
テッサ・ヴィンセント Race To Zero ポリシー・エンゲージメントリード
3. 現況解説・事例紹介
➀ 日本における気候アドボカシー、ロビイングの現状 資料
長嶋 モニカ InfluenceMap 日本カントリーマネージャー
➁ 企業が取り組む気候アドボカシー 資料
Egle Gintautaite, Global Public Affairs Leader, Ingka Group
③ JCIのアドボカシー活動 資料
平神 友美 自然エネルギー財団 連携コーディネーター
4. 議論・質疑応答
進行:田中 健 WWFジャパン 気候・エネルギーグループオフィサー(非国家アクター連携担当)
関連情報:【日本語訳を公開】Race To Zero 5番目の要件「説得:Persuade」ハンドブック
JCIは気候変動対策の実践に向けて重要なテーマを取り上げ、下記のとおりウェビナーの連続開催をしています。
第1回「科学を知る: IPCC第6次評価報告書 統合報告書のポイントと目標・移行計画策定の最新動向」(7月13日)
第2回「現状を知る:日本のGX政策の現状と課題」(8月30日)
第3回「声を上げる:ネットゼロのためのアドボカシーと政策|非政府アクターに求められる行動とは」(9月28日)
登壇者プロフィール(登壇順、敬称略)