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気候変動イニシアティブ(JCI)連続ウェビナー
第3回「石炭火力発電フェーズアウトへの挑戦:日英の政策から考える」

6月26~28日にドイツ・エルマウで主要7か国(G7)首脳会議が開催されました。3日間の会合を経て発表された共同声明では、2035年までに電力部門の完全または大部分の脱炭素化の達成にコミットすることが合意されました。また、国内の排出削減対策が講じられていない石炭火力発電のフェーズアウトを加速するという目標に向け、具体的で時期をとらえた取り組みを重点的に行うことを約束しました。

こうした主要国の動きをリードする英国は、2024年までに石炭火力発電を完全にフェーズアウトし、2035年までには再生可能エネルギーを中心とした電力の脱炭素化を目標に掲げています。一方日本は、水素・アンモニアを活用した石炭火力発電のゼロ・エミッション化を図ることで、2030年を超えても石炭を使い続ける方針です。

今回のJCIウェビナーでは、日本と英国における石炭火力発電をめぐる政策を紹介しながら、石炭火力発電が抱える課題やフェーズアウトを可能とする道筋とは何かについて考えました。

登壇者資料は下記プログラム内の「資料PDF」からご覧いただけます。
アーカイブ動画はこちら↓

◇日時:2022年7月8日(金)16:00 – 17:30
◇開催方法:zoomウェビナー
◇日英同時通訳あり
◇参加費・参加登録:無料・要事前Web登録
◇主催:気候変動イニシアティブ(JCI)

◇プログラム(敬称略)
1 開会
田中 健 WWFジャパン 気候・エネルギーグループオフィサー

2 講演
(1)日本の石炭火力発電政策の現状と課題 資料PDF
大久保 ゆり 自然エネルギー財団 上級研究員

(2)英国の石炭火力発電フェーズアウトへの道のり 資料PDF
マシュー・ウェブ 英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省 エネルギー移行キャンペーン部 副部長

3 議論/質疑応答
大久保 ゆり 自然エネルギー財団 上級研究員
マシュー・ウェブ 英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省 エネルギー移行キャンペーン部 副部長
高瀬 香絵 CDP Worldwide-Japan アソシエイト・ディレクター 資料PDF
進行:田中 健 WWFジャパン 気候・エネルギーグループオフィサー


◆過去の気候変動イニシアティブ(JCI)連続ウェビナーについて

第1回「カーボンプライシング」(2022年3月25日)資料・アーカイブ動画
第2回「クリーンエネルギー戦略」(2022年5月13日)資料・アーカイブ動画


登壇者プロフィール

 

  マシュー・ウェブ 英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省 エネルギー移行キャンペーン部 副部長

英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省COP26エネルギー移行キャンペーン部門の副部長を務める。同キャンペーンにて英国内閣府と連携しており、2017年11月に英国及びカナダが設立した脱石炭連盟(PPCA)を監修している。以前はE3Gのシニアアソシエイトとして出向し、石炭からの脱却に関する国際外交を主導、先進的な政府に対しては国際的なリーダーシップを発揮するよう働きかけを行った。2003年以来、複数の省庁にてエネルギー・気候政策に幅広く携わってきた経験を持つ。英エネルギー・気候変動省ではエネルギー効率、熱政策、「2050パスウェイ」の分析、英外務省では炭素回収・貯留の実証を支援、英環境・食料・農村地域省では中国とのCCSに関するNear Zero Emissions Coalの実施、そして英交通省ではクリーン燃料や自動車、航空の環境影響に携わった。
オックスフォード大学で化学の学位、ケンブリッジ大学で物理化学の博士号、オープンユニバーシティでMBAを取得している。

 

 

  大久保 ゆり 自然エネルギー財団 上級研究員

2015年に気候変動政策アドバイザーとして財団に参加、2016年より現職。2002年、持続可能な開発に関するサミット(リオ+1 0)に参加以降、地球環境市民会議(CASA)の職員として気候変動枠組み条約会議に参加。その後、スイス・チューリヒ大学政治学部・国際比較研究センター研究員として欧州議会やドイツ環境省が助成する炭素市場と持続可能な発展に関する研究プロジェクトに参加。現地にてマイクライメイト気候基金の日本法人設立を支援、海外支部との連携を担当。途上国の排出削減と発展支援事業の運営に関わる。神戸市外国語大学大学院国際関係学部修了。
自然エネルギー財団では、気候変動政策全般、世界や日本の石炭ビジネスの政策と動向に関する研究、海外の機関との連携に取り組む。

 

  高瀬 香絵 CDP Worldwide-Japan アソシエイト・ディレクター

慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスにて学士・修士取得後、日本エネルギー経済研究所、地球環境産業技術研究機構(RITE)などにて気候変動モデル分析を実施。東京大学新領域創成科学研究科にて、博士(環境学)を取得後、科学技術振興機構低炭素社会研究センター、東京大学工学系研究科にて省エネ政策、再エネ普及政策などの研究に従事。2015年よりCDPに参加し、現在はSBT・RE100・TCFD開示の分野で企業・自治体のエンゲージメントに従事している。

   田中 健 WWFジャパン 気候・エネルギーグループオフィサー(非国家アクター連携担当)

福岡県庁、経済産業省で廃棄物管理やリサイクル推進などの環境保全行政、日本のリサイクル企業の海外ビジネス展開支援に従事。その後、日本科学未来館にて科学コミュニケーターとして、国内外の科学館、企業、研究機関などと連携し、科学技術や研究者と一般市民をつなぐ様々なプロジェクトを担当。2018年8月から現職。気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative: JCI)等、企業や自治体など非国家アクターの気候変動対策の強化に取り組む。九州大学理学府分子科学専攻にて修士課程(理学)修了。