2025年3月18日、企業による科学に基づく温室効果ガス排出削減の目標設定を推進する国際イニシアティブSBTi(Science Based Targets initiative)が、企業ネットゼロ基準改定案を発表しました。6月1日には第一次パブリックコンサルテーションでの意見提出が締め切られ、その後改定案の修正やパイロットテスト、第二次パブリックコンサルテーションを経て、改定案の最終決定が予定されています。
SBTiに取り組む日本企業は世界で最も多く、今回の改定への対応に今からしっかりと備えていくことは、各企業が確実に脱炭素を進めていくためだけでなく、日本や世界の脱炭素化に貢献し、取引先や投資先として選ばれ続けていくためにもとても重要です。
今回のウェビナーでは、より多くの日本企業が改定案への理解をさらに深め、新たなネットゼロ基準に積極的に取り組んでいただくことを目的に、SBTiを含む専門家が直接、みなさまの質問にできる限りお答えしました。

6/9 ロハス氏、高瀬氏の資料を追加掲載
6/16 アーカイブ動画を公開


JCIウェビナー
専門家に聞く!SBTiネットゼロ基準をもっと理解するQ&Aセッション

日時:2025年6月4日(水) 16:00-17:30
主催:気候変動イニシアティブ(JCI)
開催方法:オンライン(Zoom ウェビナー)
参加費・参加登録:無料・要事前登録
言語:日英同時通訳あり

プログラム(敬称略)

1.はじめに:SBTiネットゼロ基準改定の意義
マリア・デル・マル・ロハス SBTi ヨーロッパ・エンゲージメント・マネージャー 資料(6/9追加)

2.Q&Aセッション:SBTiネットゼロ基準をもっと理解する
質問一覧(6/4追加)

登壇者(敬称略、50音順)
ジューン・キム SBTi ステークホルダー・エンゲージメント・マネージャー
高瀬 香絵 自然エネルギー財団 シニアマネージャー(気候変動)資料(6/9追加)
羽賀 秋彦 WWFジャパン 気候・エネルギーグループオフィサー (企業連携担当) 資料(6/4追加)
マリア・デル・マル・ロハス SBTi ヨーロッパ・エンゲージメント・マネージャー

3.特別応援メッセージ
シェリー・マデーラ CDP CEO チーフエグゼクティブオフィサー

4.閉会挨拶
加藤 茂夫 気候変動イニシアティブ 共同代表

進行:田中 健 JCI事務局/WWFジャパン 気候・エネルギーグループオフィサー(非国家アクター連携担当)


ネットゼロ基準改定案の理解に役立つ資料・動画

1.ネットゼロ基準改定案の概要をおさえる
(1) SBTi によるネットゼロ基準改定案の解説
※動画は字幕設定で自動生成の日本語字幕を表示できます。
解説動画・Q&Aウェビナー ブログシリーズ(Scope1-3進捗EAC

(2) WWFジャパン主催 SBTi 企業ネットゼロ基準改定案ウェビナー(2025/4/24)
企業脱炭素国際スタンダードの改定案のポイントとは?
資料・アーカイブ動画

2.ネットゼロ基準改定案を深掘りする
自然エネルギー財団主催 企業向けセミナー(2025/5/14)
SBTiネットゼロ基準、RE100要件改定は日本企業に何を求めるのか
資料・アーカイブ動画


登壇者プロフィール(随時更新。プログラム・50音順)

マリア・デル・マル・ロハス SBTi ヨーロッパ・エンゲージメント・マネージャー

Science Based Targets Initiative(SBTi)のヨーロッパ・エンゲージメント・マネージャーとして、1.5℃目標達成に向けた欧州企業やセクターイニシアチブの支援活動に取り組む。企業、金融機関、NGOセクターのステークホルダーと連携し、SBTiの活動を推進するとともに、SBTiの基準策定と改良を支援しており、大規模な排出削減を実現するために企業の意欲的な気候変動対策を促進しています。
国際NGOと民間セクターの両方でキャリア経験を持ち、SBTi参画前は、GoogleのCompassでグローバル・インパクト・マネージャーを務め、グローバル事業全体にわたって持続可能性とウェルビーイングへの取り組みを統括した。また、Food and Land Use Coalition(食料・土地利用連合)では持続可能な食料システムと土地利用政策の推進に携わり、The Climate Groupでは業界全体のエネルギー生産性向上キャンペーンを主導。持続可能な開発に関する修士号を取得しており、気候変動対策目標とレジリエントで包摂的な経済の両立に情熱を注いでいる。

ジューン・キム SBTi ステークホルダー・エンゲージメント・マネージャー

Science Based Targets(SBTi)のステークホルダー・エンゲージメント・マネージャーとして、SBTi基準の策定過程全体を通して、ステークホルダー・エンゲージメントを推進。世界中のNGO、学術界、科学界、企業コミュニティと緊密に連携し、彼らの意見が確実に聞き入れられ、考慮されるよう努めている。これにより、SBTi基準が信頼性高く、公平で、世界中のステークホルダーに広く受け入れられるものとなっている。これまで国際機関と広報活動に従事。SBTi参画前は、経済協力開発機構(OECD)でプロジェクトコーディネーターとして勤務し、ステークホルダー・エンゲージメント戦略の支援や、OECD出版物が世界の政策課題に与える影響力強化に向けた取り組みの調整に携わった。また、WWF韓国事務所の気候・エネルギー・プログラムオフィサーを務め、韓国の産業界におけるSBTイニシアチブ(SBTi)の促進と能力構築を含む、民間セクターの気候変動対策を推進。HECパリ校で経営学修士号を取得し、イェール大学で国際情勢を学んだ。

高瀬 香絵  自然エネルギー財団 シニアコーディネーター

2023年より現職。慶應義塾大学総合政策学部(学士)、政策・メディア研究科(修士)修了後、日本エネルギー経済研究所にてエネルギー統計、長期エネルギー需給見通し、石油精製モデル、都道府県エネルギー需給モデル、世界エネルギーモデル等を担当。ノードハウス著「地球温暖化の経済学」等を訳し、DICEモデルを用いた分析を実施。地球環境産業技術研究機構 (RITE)を経て、テコンドー専念のため研究を中断し、韓国龍仁(ヨンイン)大学に留学。引退後、東京大学新領域創成科学研究科にて応用一般均衡モデルを用いた研究にて博士(環境学)を取得、科学技術振興機構低炭素社会戦略センターにて、シナリオ分析や「電気代そのまま払い」社会実装等を実施。2015年に国際NGO CDPジャパンに参画し、企業・金融機関の目標設定(SBT)、再エネ調達(RE100)、TCFD情報開示、低炭素移行計画等のエンゲージメントを実施。

羽賀 秋彦 WWFジャパン 気候・エネルギーグループオフィサー

環境省、在ベトナム日本国大使館(環境担当)勤務の後、2023年1月にWWFジャパンに入局。気候変動・エネルギーに関する企業連携やSBTi関係などを担当。上智大学法学部地球環境法学科卒(法学士)、英国ケント大学ダリル保全生態学研究所にて修士号取得(MSc in Conservation Ecology)。

 

 

シェリー・マデーラ CDP CEO チーフエグゼクティブオフィサー

シェリー・マデーラは、サステナビリティ分野の著名なオピニオンリーダーで、専門はサステナブルファイナンス、環境データ、公共政策です。CEO としては、英国・欧州・米国・シンガポール・日本・中国・中南米に広がるグローバルなリーダーシップチームとスタッフを統括しています。
CDP での着任に先立っては、サステナブルファイナンスを成功に導くためのデータ要件を支援するグローバル組織、フューチャー・オブ・サステナブル・データ・アライアンス(FoSDA)で議長を務め、またマスターカード社の公共政策担当シニア・バイス・プレジデントとして、政府、産業界、規制当局との戦略的な関わりにおいて優先すべきトレンドや課題の特定をリードしました。
金融や外交の場で活躍した経歴を持ち、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)、シティ・オブ・ロンドン、在北京英国大使館での役職を歴任、ソンドレル社、ノッティンガム大学の非常勤理事も務めました。
講演も頻繁に行っており、サステナブルファイナンス、フィンテック、国際貿易、データ政策、地政学などのトピックに関する各種国際フォーラムに登壇しています。著書としては『Navigating Sustainability Data: How Organizations can use ESG Data to Secure Their Future』(サステナビリティデータをナビゲートする:組織による、未来を揺るぎないものにする ESG データの使い方)を 2024年1 月に上梓しました。

加藤 茂夫 気候変動イニシアティブ 共同代表

株式会社リコーで欧州事業、本社統括に従事したのち、2015年からサステナビリティ担当役員として、脱炭素宣言、日本企業として初のRE100参画を実現。 事業活動とSDGsを同軸化するESG経営への変革をリード。その後、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)の共同代表、 World Environment Center(WEC、本部米国)やグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)の理事として、気候変動問題を中心に企業・産業界の社会課題解決への貢献を牽引。外務省の「気候変動に関する有識者会合」のメンバーに加わる。末吉竹二郎氏ととともに、日本の幅広い非国家アクターのネットワーク創設を提唱し、2018年7月、気候変動イニシアティブ(JCI)設立に貢献、2023年3月より現職。

田中 健 WWFジャパン 気候・エネルギーグループオフィサー(非国家アクター連携担当)

福岡県庁、経済産業省で廃棄物管理やリサイクル推進などの環境保全行政、日本のリサイクル企業の海外ビジネス展開支援に従事。その後、日本科学未来館にて科学コミュニケーターとして、国内外の科学館、企業、研究機関などと連携し、科学技術や研究者と一般市民をつなぐ様々なプロジェクトを担当。2018年8月から現職。気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative: JCI)等、企業や自治体など非国家アクターの気候変動対策の強化に取り組む。九州大学理学府分子科学専攻にて修士課程(理学)修了。