<公表>JCIメッセージ賛同団体一覧

1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本政府に求める

気候変動イニシアティブ(JCI)は、本日、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本政府に求める」メッセージ(別紙1)を公表しました。「2035年GHGs削減66%以上のNDCと、それを実現する第7次エネルギー基本計画を」、「今こそ、エネルギー効率改善と再生可能エネルギー導入加速で、化石燃料からの早期脱却を」が柱になっています。このメッセージには、216団体(企業153、自治体5、大学・研究機関6、団体・NGO等52)が賛同し、名を連ねています(別紙2)。末吉竹二郎・加藤茂夫JCI共同代表は、岸田総理大臣をはじめとする各省庁の大臣に対し、「国内の真摯な声を受け止め、先進国として誇れる野心的なNDCを」と題した書簡とともに本メッセージ及び賛同団体一覧を送りました。

賛同企業の中には、東証プライム上場企業71社を含む、IT、機械、鉄鋼、電子・電気機器、製薬、通信、運輸、食品、小売、住宅・建築、土木、金融など広範な分野で日本を代表する多数の企業が含まれています。また、積極的に気候変動対策を進める企業グループである日本気候リーダーズ・パートナーシップ、エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議も名を連ねました。さらに、地方自治体、消費者団体、宗教団体、大学・研究機関、NGO/NPO、若者団体など、多様な非政府アクターが賛同しています。

 

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共同代表書簡 PDF
別紙1 JCIメッセージ PDF
別紙2 メッセ―ジ賛同団体一覧 PDF


共同代表書簡

内閣総理大臣 岸田 文雄 様
外務大臣 上川 陽子 様
財務大臣 兼 内閣府特命担当大臣(金融) 鈴木 俊一 様
農林水産大臣 坂本 哲志 様
経済産業大臣 兼 GX 実行推進担当 齋藤 健 様
国土交通大臣 斉藤 鉄夫 様
環境大臣 伊藤 信太郎 様
内閣府特命担当大臣(規制改革)河野 太郎 様

 

国内の真摯な声を受け止め、先進国として誇れる野心的なNDCを

気候変動イニシアティブ(JCI)は、本日、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本政府に求める」(別紙1)を公表しました。このメッセージには、216団体(企業153、自治体5、大学・研究機関6、団体・NGO等52)が賛同し、名を連ねています(別紙2)。

短い署名募集期間にも拘らず、賛同数は200の大台に乗り、その顔ぶれも多彩です。東証プライム上場企業71社を含む、IT、機械、鉄鋼、電子・電気機器、製薬、通信、運輸、食品、小売、住宅・建築、土木、金融など広範な分野に広がる企業の数々に加え、積極的に気候変動対策を進める企業グループである日本気候リーダーズ・パートナーシップ、エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議も名を連ねました。さらに、地方自治体、消費者団体、宗教団体、大学・研究機関、NGO/NPO、若者団体など、多様な非政府アクターからの賛同です。これらの団体に属する個人、消費者、国民レベルで見るとその数は膨大です。

特筆すべきは、日本を代表する大手な企業を含め、216もの非政府アクターが、初めて自ら名称を明らかにした上で、2035年という年限を明示して石炭火力の廃止を求めていることです。また、2035年の電力における再生可能エネルギー割合を65-80%に高めることが可能という数値もあげて太陽光発電、風力発電の導入加速化を求めていることにも大きな意義があります。日本の気候政策の転換を求める国内のステークホルダーの声はティッピング・ポイントを迎えつつあるといっても決して過言ではありません。

我々JCI共同代表は、JCIメッセ―ジの公表にあたり、政府に対し、日本を代表するといっても良いJCIメンバーからの覚悟ある声に耳を傾けて気候政策を練り直し、日本が脱炭素への国際競争において、先頭グループと肩を並べて気候危機との闘いで大きな役割を果たすともに、この国の産業や経済の未来をも切り開くことができるようになることを切に願っています。

2024年7月8日
気候変動イニシアティブ共同代表 末吉竹二郎・加藤茂夫


別紙1 JCIメッセージ

1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本政府に求める

今年を日本のエネルギー政策転換の年に
今年は、日本の近未来を左右する極めて重要な年です。なぜなら、第7次エネルギー基本計画と次期温室効果ガス削減目標(NDC)の策定が見込まれるからです。世界が約束した1.5度目標の実現に向け、国際社会が脱炭素化への競争を激化させる中、日本が掲げる気候変動政策とエネルギー需給のあり方は、人々の健康や安全に強く影響することはもちろん、日本の産業や経済の未来、ひいては国際社会における競争力や立ち位置を方向付けます。
こうした状況のもと、気候変動イニシアティブ(JCI)に参加する日本の非政府アクターは、日本政府が次のことを目指し、今年を日本のエネルギー政策の転換点とすることを求めます。

2035年GHGs削減66%以上のNDCと、それを実現する第7次エネルギー基本計画を
地球沸騰化とも言われる深刻な状況下、国際社会は1.5度目標の実現に向けた取り組みを加速しています。COP28では、2030年までに世界の再生可能エネルギー設備容量を3倍、エネルギー効率改善率を2倍にすることが約束され、今年2月、欧州委員会は2040年までに温室効果ガス(GHGs)を1990年比で90%削減することを勧告しました。
こうした中、日本の次期NDCと第7次エネルギー基本計画が1.5度目標に整合するものでなければ、日本は持続可能な成長を続け、国際競争力を発揮していくことはおろか、日本の産業界はバリューチェーンから外され、さらにその基盤となる人々の健康や安全、雇用を守ることすらできなくなることが強く懸念されます。
このような危機感から、私たちは日本政府に対し、次期NDCを少なくとも気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示した2035年までに世界全体でのGHGs削減2019年比60%に相当する2013年比66%以上にすることを求めます。また、第7次エネルギー基本計画が、エネルギーの需要側や次世代を含む開かれた場で、科学的知見に裏付けられた幅広いレベルでの議論を経て、NDCと一体的に策定されることを強く求めます。

今こそ、エネルギー効率改善と再生可能エネルギー導入加速で、化石燃料からの早期脱却を
日本が2035年までにGHGsを2013年比66%以上削減するには、日本もG7のメンバーとして約束した2035 年までに電⼒部⾨の全て、または⼤部分の脱炭素化という国際公約の達成が欠かせません。そのためには、第7次エネルギー基本計画では、2035年に向けた石炭火力廃止の明確化と、それを実現するエネルギー効率改善と再生可能エネルギー導入の最大化が不可欠です。
また、日本はCOP28で化石燃料からの脱却に向けた取り組みを加速することに合意し、加えて、今年4月のG7気候・エネルギー・環境大臣会合では、石炭火力の廃止年限について2030年代前半とすることにも合意しています。 したがって、2035年までの石炭火力廃止と、2050年に向けたその他の化石燃料の可及的速やかな脱却は、日本が果たすべき国際公約であり、本提言の論拠となるものです。
様々な科学的根拠に基づく試算は、日本には再生可能エネルギー設備容量3倍を実現するに十分なポテンシャルがあり、2035年には電力における再生可能エネルギー割合を65-80%にすることが可能だと示しています。
これらの国際公約を着実に果たすために、すでに利用可能な技術を駆使した建物や製品開発などにおけるエネルギー効率の究極の改善と、日本のポテンシャルを最大限活かした太陽光や風力を中心とする再生可能エネルギー導入の加速化に向けた、早急な基盤づくりを日本政府に求めます。

脱炭素化を目指す世界の最前線に日本から参加する
私たちは、日本が持続可能な成長をしながら脱炭素化を実現するには、多様なステークホルダーが知見や経験を共有し、力を合わせることが必要だと考えています。JCIは、国内外の非政府アクターや政府との協働を深め、1.5度目標の実現に貢献していきます。


別紙2 メッセ―ジ賛同団体一覧

賛同団体⼀覧(50音順)
(計 216団体 企業︓153 (うち 金融・投資機関︓9) *太字は東証プライム企業(71)
自治体︓5 大学・研究機関︓6 団体・NGO 等︓52)

企業(計 153 (うち 金融・投資機関︓9) *太字は東証プライム企業(71))

アース製薬 スマートパワー
artience 住友ファーマ
アイ・グリッド・ソリューションズ 住友林業
IDEC セイコーエプソン
アサヒグループホールディングス 積水化学工業
朝日新聞社 積水ハウス
アスエク ゼック
UPDATER ゼネシス
アドバンテスト ゼロボード
アドライト ソーラーワールド
荒川化学工業 ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン
アンリツ ソニーグループ
E-konzal ソフトバンクグループ
イースクエア ダイダン
イーズ ダイテック
イオンモール 太陽油脂
ウェイストボックス 大和ハウス工業
ウォータースタンド 高砂熱学工業
内海産業 宝塚すみれ発電
ウフル 脱炭素化支援
EIZO 田辺三菱製薬
H.U.グループホールディングス 地域計画建築研究所
ANAホールディングス チェンジ・エージェント
エーザイ 中外製薬
エコスタイル TBM
エコワークス テスホールディングス
エスペック テラスエナジー
Sリサーチ・アンド・アドバイザリー 東京製鐵
エッジ・インターナショナル 戸田工業
EDO KAGURA 中島商会
NTTデータグループ ナブテスコ
ENEOSリニューアブル・エナジー ニコン
エネクラウド 西松建設
エフピコ 日清食品ホールディングス
大川印刷 日本カーボンマネジメント
オークネット 日本ヒューレット・パッカード
大塚商会 ニューラル
大林組 ネクストレベルジャパン
OKYA 野村総合研究所
小田原かなごてファーム パタゴニア日本支社
おひさま進歩エネルギー パナソニックホールディングス
office 3.11 ピコットエナジー
花王 ビジネスブレイン太田昭和
梶原鉄工所 ファインデックス
仮設機材工業 booost technologies
カルビー フォスター電機
川崎未来エナジー 富士通
キッコーマン ブラザー工業
キリンホールディングス 古河電気工業
クボタ ベネッセホールディングス
熊谷組 ポーラ・オルビスホールディングス
グリーナー・スペース・プランニング 前田建設工業
グリーンパワー工業 前田道路
クロスフォー まち未来製作所
Codo Advisory 宮城衛生環境公社
コーセー 未来創造部
国際航業 明治ホールディングス
コニカミノルタ 森永乳業
栄鋼管 矢野経済研究所
サカタインクス ヤマト住建
サッポロホールディングス ヨロズ
サン・ジオテック LINEヤフー
サントリーホールディングス 楽天グループ
CSRデザイン環境投資顧問 LIXIL
SequencEnergy リクルートホールディングス
J. フロントリテイリング リコー
塩野義製薬 リコーリース
自然電力 リニューアブル・ジャパン
上新電機 りんかい日産建設
新菱冷熱工業 ルネサスエレクトロニクス
すかいらーくホールディングス レッドマルスADベンチャー
SCREENホールディングス ワコム

金融・投資機関(計9)

尼崎信用金庫
しずおか焼津信用金庫
ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント
シュローダー・インベストメント・マネジメント
信金中央金庫
大和ハウス・アセットマネジメント
大和ハウスリート
野村不動産投資顧問
滋賀銀行

自治体(計5)

近江八幡市
川崎市
世田谷区
豊中市
武蔵野市

大学・研究機関(計6)

SLSV CES研究所
自然エネルギー財団
上智大学
聖心女子大学グローバル共生研究所
地球環境戦略研究機関
千葉商科大学

団体・NGO等(計52)

アースライフネットワーク 持続可能な社会のためのジャパンユースプラットフォーム
アクト川崎 湘南・省エネネットワーキング
アクト・ビヨンド・トラスト 消費者市民社会をつくる会
あつぎ市民発電所 新エネルギーをすすめる宝塚の会
上田市民エネルギー Studio Ichigo
うつくしまNPOネットワーク 生活協同組合コープかごしま
エシカル協会 世界自然保護基金ジャパン
エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 全国消費者団体連絡会
elsa 創価学会
大磯エネシフト そらべあ基金
大阪YMCA 太陽エネルギーデザイン研究会
川崎商工会議所 地球環境市民会議
環境エネルギー政策研究所 地熱情報研究所
環境経営学会 徳島地域エネルギー
環境文明21 所沢環境市民の会
環境ベテランズファーム 所沢市民ソーラー
気候ネットワーク 日本気候リーダーズ・パートナーシップ
Climate Action Network Japan 日本キリバス協会
Climate Youth Japan 日本溶剤リサイクル工業会
グリーンピース・ジャパン 日本若者協議会
グリーンビルディングジャパン パルシステム生活協同組合連合会
原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟 Peace & Nature
コレクティブ・アクション ピースボート
サステナビリティ日本フォーラム 福井小水力利用推進協議会
CDP Worldwide-Japan 北海道グリーンファンド
JELF(日本環境法律家連盟) 北海道再生可能エネルギー振興機構