COP25をリードしたキーワードは「若者」でした。
まず感じたのは、世界の若者の声の高まりでした。グレタ・トゥーンベリさんに代表される多くの若者が、この会議場の中でも、そして外でも、大きな声を上げて、大人たちにアクションを呼びかけていました。
“What do you want?” “Climate Justice!!”
“When do you need it?” “Now!”
“Another World is possible!”
未来を憂える若者の真実の声には、全ての人が心を打たれたに違いありません。
そして、COP25の会場全体をおおっていたのは、Time For Action という言葉でした。「行動すべきは、今」なのだと。
思えば、今年は日本でも大変な気象災害が相次いだ年でした。もはや、気候変動に脆弱なのは、途上国だけではなく、私たち自身が、気候「危機」の最中にいるのだ、ということを改めて認識しなければなりません。
近年のCOPでは、サイドイベントの比重が高まっていると聞いていましたが、今回もやはり、様々な非政府アクターが、サイドイベントで、取り組みを発表していました。パリ協定「実施」のフェーズでは、ますます、非政府アクターの取り組みが重要となっているのは、世界的潮流です。
今回も、気候変動イニシアティブ(JCI)として国際社会に向けて、ジャパンパビリオンにおいて、日本の自治体の皆様の取り組みを中心にご紹介すると同時に、日本でも、脱炭素に向けたアクションは着実に進んでいることを、発信することができました。JCIがこの1年間で、参加団体が4倍にもなったことについては、会場から大きな拍手を頂きました。JCIメンバーとして参加していただいた自治体、企業の皆様には改めて御礼申し上げます。こうした発信ができるのも、実態として、JCIに参加して下さっている多くの企業、自治体、その他の団体の皆様のお取り組みがあるからこそです。JCIの取り組みは、他国・他地域の非政府アクターにも歓迎されると同時に、わたくしたち自身も、世界各地の仲間からパワーをもらったと感じています。
しかし、COP25が再度各国に呼びかけたように、まだまだ取り組みを強化していくことが必要です。日本は、来年、もう一度、パリ協定の下での国別目標(NDC)を再提出することになります。高まる危機の中、それが、現状のままでよいわけがありません。
来年は「脱炭素化をめざす世界の最前線」に参加する私たちから、是非とも、日本の目標強化を後押しすると同時に、JCIとしての取り組みも、ますます加速させて行くべきであるとの決意を新たにしました。
世界で始まった脱炭素の流れはもはや決して止められるものではありません。新年もひきつづき、JCIの皆様とともに、パリ協定の目標実現にむけて、努力をしていきたいと考えております。