気候変動イニシアティブ(JCI)は、2026年3月12日、米国メリーランド大学 グローバル・サステナビリティ・センター(CGS: Center for Global Sustainability ) 所長 / 公共政策大学院 教授のネイサン・ハルトマン氏とJCIメンバーとの対話イベントを東京都内の会場にて開催しました。

同氏は、パリ協定に基づく各国の気候目標(NDC)策定や国家気候戦略に長年携わってきた国際的な気候政策の第一人者です。米国務省での上級顧問として米国NDCや米中協力の交渉に関わるなど、政府・研究の両面で豊富な実績を有しています。また、同氏が所長を務めるメリーランド大学 グローバル・サステナビリティ・センターは、米国の非政府アクター連合「America Is All In」と連携し、同国州政府や企業らの取り組みによる温室効果ガス削減効果を分析する活動なども行っています。

本イベントでは、気候変動をめぐる米国や世界の最新動向についてハルトマン氏から情報提供をいただいたあと、30名近いJCIメンバー企業・自治体からの参加者との活発な質疑応答や意見交換が行われました。

また、同センターでアソシエイト・リサーチ・プロフェッサーを勤めるリナ・イーユンチー(Ryna Yiyun Cui)氏とジエホン・ルー(Jiehong Lou)氏(写真右上)も参加され、州や市など非政府アクターの様々な具体的施策の事例を共有し、議論を深めました。

米国連邦政府の気候政策が大きく変化している今、その逆風にもかかわらず、実際には州や市、企業による着実な気候変動対策が進んでいること、非政府アクターが連携しあっていることなど、普段日本にいる私たちが接することができないリアルな情報を第一人者から学ぶ貴重な機会となりました。


プロフィール
ネイサン・ハルトマン氏
メリーランド大学 グローバル・サステナビリティ・センター(CGS: Center for Global Sustainability ) 所長 / 公共政策大学院 教授、米国

パリ協定に基づく各国の国別貢献(NDC)を含む、野心的な国家気候目標の策定・設定・達成支援に注力。国家気候戦略に関する多様な分析・政策アプローチでは、気候目標の設定・評価・実施、パリ協定下でのNDC策定のほか、米国のNDCおよび長期的なネットゼロ戦略、国際気候政策、国・地域レベルの主体による気候行動支援、米中二国間の気候協力、非CO₂温室効果ガス削減、中国・インドネシア・ブラジル・インド・韓国などにおける国家気候戦略にも携わる。

政府でも要職を経験。2024年6月から2025年1月までは、米国務省の気候担当大統領特使室で、気候目標の引き上げを担当する特別上級顧問として、2035年の米国NDC策定、各国との二国間協議、COP29気候交渉に貢献。それ以前の2021〜22年には同室上級顧問として、2021年米国長期戦略の策定を主導し、COP26で採択された米中共同宣言の交渉にも関与。さらにオバマ政権下のホワイトハウスで2025年米国NDCの策定に携わり、リマおよびパリでの気候交渉も担当。また、京都会議に始まり、27年以上にわたり国連気候交渉に非政府オブザーバーとして参加。2016年にパリ協定のもとでの「野心と行動のサイクル」を支えることを目的としCGSを設立、60名以上の研究組織へと成長させてきた。

ワシントンD.C.のブルッキングス研究所で非常勤上級フェロー、オックスフォード大学の客員フェローも経験。カールトン大学で物理学の学士号、カリフォルニア大学バークレー校でエネルギー・資源分野の博士号を取得している。