取り組みの概要

CDPは2000年に英国で設立したNGOであり、投資家・企業・都市・国家・地域が環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。これまでの15年以上のCDPの活動によって、これまでになかった、グローバルな環境問題についてのエンゲージメント(働きかけ)が行われる仕組みが構築されました。CDPは人々と地球の両方にとって機能する豊かな経済を目指しています。 パリ協定と整合した科学的に必要とされる温室効果ガス排出削減の応分の削減目標について認定するScience Based Targets (SBT)イニシアチブ主宰の4団体のうちの一つであり、RE100のテクニカルパートナーであるCDPは、情報開示の先のアクションについても、正当に評価される枠組みの構築を行っています。CDP Citiesは、ICLEIやGCoMの開示基盤とも統合し、都市の取り組みをワンストップで開示するプラットフォームとなっています。投資家、企業、都市といったNon-State Actorsのつながりから、持続可能な経済の構築を実現するべく、日々活動しています。

気候変動対策の短中長期の目標

SBTイニシアチブの構成団体の日本支部として、企業のSBT設定について相談にのったり、日本とSBTiの橋渡し、環境省による支援プログラムに情報をインプットしたりとしています。

再生可能エネルギー利用の推進

RE100イニシアチブテクニカルパートナーとして、RE100企業が日本で再エネを調達しやすい環境をつくるべく、政策担当者や事業者、自治体の間をつなぐ活動をしています。また、Re-usersでは、RE100以外の企業、中小企業、自治体、他の団体とも協働し、再エネの導入に向けた政策提言、需給マッチングなどを、自然エネルギー財団・WWFジャパンとともに実施しています。非化石価値証書のトラッキングについて、さらに需要側が使いやすいものとなるように、国際的動向との橋渡しをしています。

スコープ3を対象とした取り組み

CDPサプライチェーンプログラムは、企業が自らのサプライヤーにCDP質問書を送付し、取り組み状況を把握し、エンゲージメントに活用する枠組みです。グローバルには115社、日本は11社(環境省含む)がメンバーとなり、調達元の環境への取り組みを把握し、エンゲージメントしています。

森林・土地利用・農業等の自然環境を対象とした取り組み

CDPは、森林質問書を2013年から企業に送付しています。これは、木材、パーム油、大豆、家畜といったコモディティの調達過程での森林の減少/劣化への関連を聞くものです。2018年は525投資家の要請のもと、239社(日本企業42社)が回答しています。

気候変動に関する情報開示の推進

CDPは、2003年から、企業に対して気候変動質問書を送付し、2008年からは水セキュリティ、2013年からは森林についても質問書を送付しています。2018年は7000社以上がCDPを通じて情報を開示しました。2007年に発足したCDSB(Climate Disclosure Standards Board)の事務局をつとめ、有価証券報告書を中心とする財務報告書に気候変動情報を開示する方法について、中心的に議論を行ってきました。2017年のTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures )提言を受け、2018年から質問書をTCFD準拠に改訂しました。

適応対策およびレジリエンスの向上

CDPでは、水セキュリティ質問書を2008年から企業に送付しています。

金融を通じた取り組み

CDPでは、投資家向けのセクターレポートを4半期に1度、作成しています。これは、同じセクター内の企業を、気候変動の観点からどのように評価すべきかについての参考となるもので、投資アナリストが実施しています。また、投資家要請での質問書を2003年から企業に送付し、結果について、投資家が利用可能なデータベースとして提供し続けています。